発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010265967
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67歳男性。患者は狭心症で他院を通院中であったが、胸部単純X線において左下葉の腫瘤陰影を指摘され、精査加療目的で著者らの施設へ紹介となった。入院時、胸部単純X線では左下肺野に心陰影と重なる腫瘤陰影が認められ、胸部CTでは左下葉のB9+B10根部の気管支に接し、径35mmの分葉状の腫瘤が認められた。一方、気管支鏡では左B10気管支の内腔を閉塞する表面不整、白色の腫瘤がみられたが、生検では確定診断を得ることができなかった。以上より、本症例は腫瘍性病変が疑われ、左下葉切除と肺門リンパ節郭清を施行、その結果、病理組織学的に類基底細胞型扁平上皮癌に相当する上皮様腫瘍部分と紡錘形間質系細胞様細胞が認められ、Stage IBの肺多型癌と診断された。尚、目下、術後17ヵ月現在、再発は認められず、健在である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010