臨床経験
緩徐な進行を示した肺類基底細胞型扁平上皮癌
小林 数真
1
,
阿部 皓太郎
,
石橋 直也
,
佐藤 伸之
,
岡田 克典
1東北大学加齢医学研究所 呼吸器外科学分野
キーワード:
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
免疫組織化学
,
リンパ節郭清
,
胸部CT
,
経気管支肺生検
,
類基底細胞癌
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Immunohistochemistry
,
Lung Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Pneumonectomy
pp.356-359
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017209363
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70歳男。咳嗽を主訴とした。1年4ヵ月前に左肺S9の結節影(14mm大)を認めるも悪性所見はなく、定期的CTによる経過観察としていたが、腫瘍は徐々に増大した。初診時所見では特記すべき異常はなく、造影CTでは左肺下葉S9に最大径19mmの結節影を認め、血管気管支収束像も伴っていたが、リンパ節転移や遠隔転移はみられなかった。左B9aから経気管支生検とブラッシングを行い、扁平上皮癌cT1aN0M0、臨床病期IA期と診断され、左肺下葉切除およびND2a-1のリンパ節郭清を行った。病理組織像ではbasaloidパターンや異常角化傾向を呈し、免疫組織化学的にp40および34βE12が陽性であり、最終診断は肺類基底細胞型扁平上皮癌、pT1bN0M0、病理病期1A期であった。術後2年6ヵ月現在、無再発性存中である。
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