発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036381
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64歳男性.患者は検診で胸部異常影を指摘され紹介入院となった.X線では右上肺野に境界明瞭で辺縁が比較的整の大型の腫瘤影を認めた.CTでは右S1に第2肋骨に接して36×31mm大の腫瘤を認め,腫瘤と胸壁間の胸膜外脂肪層の一部消失と,前縦隔,腕頭静脈に接して17×15mm大の結節影を認めた.更に気管支鏡では可視範囲内に異常は認めず,腫瘤の擦過細胞診で腺癌と診断された.右上葉原発腺癌,腫瘤型,臨床病期IIIB期(T3N0M0)および非浸潤性前縦隔腫瘍と診断し手術を行ったところ,前縦隔の腫瘍は胸腺組織内に存在した嚢腫状で,肺腫瘍は肺尖部外側に位置していた.前縦隔腫瘍の摘出,右上葉切除術ならびに縦隔リンパ節郭清を行った.病理所見では,異型の強い紡錘形細胞に混在して巨細胞を認め,扁平上皮癌様部分と腺癌様部分を認め肺原発多形癌と診断された
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