発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269259
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症例1:74歳男.左股関節痛が出現し,腫瘍による大腿骨頸部骨折と診断された.胸部CTでは,右S10に最大径3.5cm大で,内部に空洞を伴う境界明瞭な結節像を認めた.大腿骨頸部から大腿骨頭にかけて存在する腫瘍を切除した後,後日,右下葉切除を行った.腫瘍は,約50%を紡錘形細胞が占め,紡錘形細胞に混在する巨細胞成分も認めた.術後8ヵ月で原病死した.症例2:80歳女.右側胸部・背部痛,乾性咳嗽が出現した.胸部CTでは右肺門に径7cm大の腫瘍と,右中・下肺野,右肋骨には転移を疑わせる病変を認めた.生検の結果,腫瘍は扁平上皮癌と診断された.その後,全身状態は悪化し,初診から2ヵ月で原病死した.剖検で,肺の腫瘍は多形癌と診断され,脳,肋骨,縦隔リンパ節に転移を認めた.肺原発多形癌は進行が早く,予後も悪い.QOLを重視した治療戦略を立てる必要があると思われた
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