発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010107251
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40歳女。呼吸苦を主訴とした。右気胸にて紹介受診したが、月経周期と一致して気胸が発症し、CA125が高値であったことから月経随伴性気胸(CPT)を念頭に置いた。胸腔鏡で右胸腔内を観察したところ、肺尖縦隔側に癒着した肺嚢胞、胸壁の血腫病変、横隔膜頂部に多発するブルーベリースポットを認め、肺嚢胞、胸壁病変と横隔膜頂部の1ヶ所を切除した。病理組織学的所見では肺嚢胞の臓側胸膜と横隔膜に異所性子宮内膜と考えられる腺管構造が認められ、産婦人科でも骨盤内所見が確認されたため、子宮内膜症と診断してホルモン療法を開始した。現在まで気胸の再発は認めていない。本症例は横隔膜病変と肺胸膜病変がいずれも肉眼的、組織学的に証明された比較的稀なCPT症例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010