発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264915
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治療を行った月経随伴性気胸(CP)5例(女・32~43歳)について報告した。いずれも病歴聴取によりCPを疑い、全例骨盤子宮内膜症を有し、ホルモン療法と気胸の既往を各4例に認めた。1例は他院で2回の手術(嚢胞切除術)が行われ、切除標本からは子宮内膜組織の同定はなく、CPは否定的とされたが、横隔膜病変の検索はなかった。来院時の気胸は全例右側で、月経初日~5日目であった。胸部CTで明らかな嚢胞は認めず、胸腔鏡検査で子宮内膜病変を認め、CPと確定診断した。手術は横隔膜部分切除を3例に、胸腔ドレーン挿入を2例に行い、全例横隔膜病変が認められた。追加治療として胸膜癒着術(OK-432胸腔内投与)とホルモン療法を各4例行った。21~94ヵ月の経過観察で、2例は無再発を維持し、ホルモン療法を拒否或いは自己中断した3例は再発をきたしたが、癒着療法の追加とホルモン療法の継続を行い、以後再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012