発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071379
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30歳男。患者は胸部違和感と胸部異常陰影を主訴とした。自然気胸に対する治療歴があり、27歳から気管支喘息でステロイド吸入治療中であった。今回、両側の気腫性肺嚢胞症として外来経過観察中であったが、X線およびCTで左上肺野の巨大気腫性肺嚢胞内に液体貯留が認められた。また、嚢胞壁もやや肥厚しており、嚢胞内感染が疑われた。治療ははじめ抗生物質の投与が行なわれたが改善せず、切除目的で入院となり、肺部分切除が施行された。その結果、嚢胞内部には黄色粥状塊がみられ、病理組織学的所見では黄色粥状塊はAspergillusの菌塊と壊死物質であった。一方、嚢胞壁は肥厚しており、硝子化した結合織からなり、慢性炎症が高度と思われた。更に嚢胞周囲の硬い部分では肺出血と器質化も認められ、Aspergillus感染と診断された。尚、術後は経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009