発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223330
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69歳男.患者は2002年,原発性肺癌と診断され,左上葉切除術と下葉部分切除術が施行された.病理組織所見で大細胞神経内分泌癌(LCNEC)と診断,術後経過も良好でn0であったこともあり,術後化学療法は行わなかった.しかし,自覚症状はなかったが,術後1年4ヵ月後,腹部CT上,左副腎に約3cm大の低吸収腫瘤を認めた.腫瘍マーカーはNSEだけが軽度上昇していた.MRIではT1強調画像でやや低信号,T2強調画像でやや高信号を示す腫瘤を認め,不均一な造影効果を認めた.周囲臓器への浸潤は認めなかったものの転移性副腎腫瘍を疑い,左副腎を摘出した.その結果,病理組織所見では,肺原発巣同様,クロマチンに富む腫大した類円形の核を有する腫瘍細胞が不規則蜂巣状,シート状に増生していた.術後約1年経過現在,再発徴候は認められず,外来で経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005