発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356268
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79歳女。肝血管腫に関して近医で超音波検査により経過観察していた。MRIで右副腎に腫瘤を認めた。胸部CT像では中下葉にまたがって存在する27mm大の結節影を認め、縦隔リンパ節の腫大はみられなかった。腹部CT像とMRI像では以前からみられているS7の血管腫と右副腎に35mm大の腫瘤影を認めた。病理検査のため、腹腔鏡下右副腎腫瘍摘出術を行い、大細胞がんで肺よりの転移と診断した。FDG-PETで右中肺野に高度の集積があり、頭部MRIで異常所見はなかった。カルボプラチン、ペメトレキセド、ベバシズマブによる化学療法を施行し、PRであったが、FDG-PETでは腫瘍病変の集積は消失した。その後、腫瘍径は明らかに増大したFGFR遺伝子変異陰性であり、二次治療として化学療法は拒否されたため、CT、MRIで遠隔転移のないことを確認し、原発巣に対して対症的に放射線治療を行っている。
©Nankodo Co., Ltd., 2013