発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009114900
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1:65歳女。約12年前に後縦隔の良性腫瘍を指摘されるも放置していた。今回、労作時呼吸困難が出現・増悪し、胸部X線で心陰影に重なってシルエットサイン陰性の腫瘤陰影を認め、胸部CTでは気管分岐部より食道裂孔レベルに至る後縦隔に、脂肪と等濃度の15cm大の腫瘍を認めた。胸腔鏡下に腫瘍摘出術を施行し、病理組織学的に腫瘍は成熟脂肪細胞よりなる脂肪腫で、悪性所見は見られなかった。術後経過は良好で、第5病日に退院となった。症例2:60歳男。右側胸部痛を認め、胸部X線で右下肺野、肋骨横隔膜洞近傍に腫瘤陰影を認めた。胸部CTでは右側胸部壁側胸膜より胸腔内へ突出する広基性、内部一部不均一、造影効果を認めない7×6×3cmの腫瘍を認めた。胸腔鏡下に腫瘍摘出術を施行し、病理組織学的に腫瘍は成熟脂肪細胞の結節性増殖病変で、内部は凝固壊死に陥り、辺縁部は多核巨細胞の出現を伴う炎症性の肉芽反応を示し、二次的変化の伴った脂肪腫であった。悪性所見は見られなかった。術後経過は良好で、第4病日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009