発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008236068
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症例1:38歳男。左前胸部痛が出現し、人間ドックで胸部異常陰影を指摘され、その後左下肢のしびれも生じた。MRIでTh10レベルに脊柱管内から左胸腔へ伸展する4×6×4cmの腫瘍を認め、神経鞘腫と診断した。後方正中アプローチでTh10左側の椎弓、左Th10/11椎間関節、左第10肋骨の切除を行い、腫瘍を展開した。腫瘍化した左Th10神経根を含めて後方から一塊に摘出でき、最後にTh9~11の後側方固定を行った。症例2:55歳女。左腋窩のしびれを自覚し、その後前胸部圧迫感が出現した。MRIでTh2レベルに脊柱管内から左胸腔へ伸展する7×8×6cmの腫瘍を認め、生検結果と併せて神経鞘腫と診断した。後方アプローチでTh2左側の椎弓、Th1左側の椎弓の遠位1/3、左Th2/3椎間関節、左第2~4肋骨の基部7cmを切除し、腫瘍化した左Th2神経根を含めて後方から一塊に摘出できた。両症例とも術後1~2年経過して骨癒合は完成し、再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008