発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009114888
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
症例1:39歳男。食道潰瘍の胸部大動脈への穿破に対し食道切除・胃瘻造設・大動脈穿孔部単純閉鎖術施行後、第40病日に吐血を認め、CTおよび大動脈造影で胸部下行大動脈に仮性瘤破裂を認めた。炎症反応の上昇、血液培養での黄色ブドウ球菌検出より、縦隔炎を原因とする感染性仮性動脈瘤破裂と診断し、経カテーテル的ステントグラフト内挿術(ESG)を施行した。術後抗生物質を投与し、再発なく経過良好である。症例2:80歳女。咳、39℃の発熱が出現し、血液検査で炎症所見を認め、肺炎の診断で抗生物質投与されるも改善せず、CTでは胸部下行大動脈に嚢状瘤を認めた。その後嚢状瘤の急激な拡大を認め、感染性大動脈瘤の診断でESGを施行した。術後抗生物質を投与し、再発なく経過良好である。症例3:53歳男。多量の喀血、CTで胸部下行大動脈瘤破裂を認めESGを施行した。しかし術後113日に発熱・血痰、血液検査で炎症所見、CTでステントグラフト遠位部に瘤を認めた。突然意識レベル低下しショック状態となったため、動脈瘤破裂の診断でESGを前回ステントグラフトに追加して施行した。喀痰培養ではMRSAが、血液培養ではKlebsiella pneumoniaeが検出され、vancomycin hydrochlorideを点滴したが、大量吐血し出血性ショックで死亡した。病理解剖で胸部大動脈瘤の気管支および食道への穿破を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009