発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017135911
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64歳女。発熱、全身倦怠感を主訴とした。コントロール不良の糖尿病患者で、尿路感染症による敗血症の診断で加療されていたが、入院10日目に突然背部痛が出現した。胸部CTで左胸腔内血腫と下行大動脈瘤破裂を認め、感染性胸部大動脈瘤破裂と診断して二期的に外科手術を行うことを前提に、緊急避難的に胸部大動脈ステントグラフト内挿術(TEVAR)を行った。CT下ドレナージ術を行うも膿瘍腔が残存したため、膿瘍腔を掻爬・洗浄した後に広背筋充填術を行い、膿培養でKlebsiella pneumoniaeとコアグラーゼ陰性ブドウ球菌が検出された。術後CTでは残存膿瘍腔は消失し、感染再発の所見や明らかなリークは認めなかった。感染徴候の完全消失を確認して抗生物質を中止し、術後12ヵ月で感染の再発なく経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2017