発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042047
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胸部大動脈破裂に伴う緊急性血胸の報告例は極めて少なく、その理由として、従来は開胸による緊急大動脈置換術が行われてきたため、同手術によって胸腔内圧が直ちに減圧され、大きな問題にはならなかったことが考えられる。一方、ステントグラフト治療では開胸をしないため胸腔内圧は減圧されず、圧の上昇に伴う縦隔の偏位から呼吸困難や静脈還流障害によるショック状態をきたすおそれがある。今回著者等は、緊急性血胸を伴う下行大動脈瘤破裂例(88歳男)に対して胸部ステントグラフト内挿術を行う際、先ず胸腔ドレナージにより血胸の状態を改善したうえで施行し、良好な結果が得られたので報告した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014