発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009071793
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
24歳男。咳嗽が出現し、胸部画像検査で右肺の腫瘤影を指摘された。X線で右下肺野に10mm大の淡い結節影を、CTでは右S9に境界明瞭な結節影を認め、門脈および縦隔リンパ節の腫大はなかった。PETでは腫瘍部に一致してF18 FDG集積値3.6の弱い集積を示した。悪性病変を否定できず、診断を兼ねて胸腔鏡下手術を施行した。術前にCTガイド下で腫瘍近傍にマーカー針を留置し、トロカールからの指診でマーカー針近傍に10mm大の弾性硬の腫瘍を触れ、辺縁から2cm以上離して肺部分切除を行った。切除標本で黄白色調、境界明瞭な10×10×10mmの腫瘍を認め、病理組織所見では短紡錘形の核を有し細胞境界が不明瞭な細胞の充実性増殖を認めた。腫瘍細胞の核は揃っており、壊死や核分裂像の増加はなかった。腫瘍細胞間には密な膠原線維束が介在し、中等度のリンパ球・形質細胞浸潤を認めた。免疫染色ではαSMA弱陽性、ALK陰性で、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍と診断された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009