発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264924
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症例は55歳男性で、3年3ヵ月前に直腸癌(Rb、T2N0M0、stage II)で直腸切断術およびリンパ節郭清(D3)を施行されたが、経過観察目的のCTで左肺S1+2に空洞病変を認め、その後の再検査で軽度増大を示した。FDG-PETでは空洞病変に一致して異常集積(SUVmax 2.07)を認め、悪性の可能性を考え、確定診断のため胸腔鏡下肺部分切除術を施行した。術前CT下に空洞病変近傍にマーカーを挿入し、マーカーを含めて自動縫合器で楔状切除した。切除腫瘍は1.0×0.8×0.8cm大であった。病理組織所見で、高円柱状を呈する異型上皮が腺管形成や篩状構造を呈しながら増生し、空洞内腔には壊死細胞が認められた。前回手術時の組織所見と類似しており、大腸癌の転移と診断した。術後補助療法としてfluorouracil+calcium folinate+oxaliplatinを12クール施行し、2年以上経過して再発徴候はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012