発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052480
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開心術後呼吸不全に対して早期から高頻度ジェット換気(HFJV)を導入し、人工呼吸器から早期に離脱可能であった5症例(55~81歳)を経験した。対象は集中治療室入室時PaO2/Fi02<150の症例で、急性大動脈解離2例、不安定狭心症3例であり、ESPRIT人工呼吸器にメラ高頻度ジェットベンチレーターJP-1を重畳して使用した。人工呼吸器の1回換気量を減少させながら気道内圧を35cmH2O以下になるように設定し、2症例には1回換気量の調整により最大気道内圧を30cmH2Oに低下させた。酸素濃度は人工呼吸器と同濃度に設定した。その間、鎮静薬と好中球エラスターゼ阻害薬を使用した。その結果、全例でHFJV駆動中の血圧、心拍数、中心静脈、肺動脈楔入圧、肺動脈圧、心係数は安定していた。HFJVの駆動時間はそれぞれ45、40、40、9、18時間であった。HFJV駆動前後のPaO2/Fi02の改善度はそれぞれ44、22、59、106、107であり、全例で酸素化能の改善を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008