発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052471
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2001~2007年に胸骨性中切開アプローチによる胸部大動脈置換術を施行した144症例中、冠状動脈血行再建(CABG)を同時施行した非急性解離18例(N群)と急性解離4例(D群)を対象に、手術成績を検討した。同時期にCABGを行わず、待機的に大動脈置換術を施行した68例(S群)を対照とした。その結果、平均大動脈遮断時間はN群114±27分、D群159±8分で、D群はN群より、N群はS群より有意に長かった。120分を超える症例は55%であった。N群の平均バイパス本数は1.6±0.7本で、左内胸動脈を使用した症例の平均年齢は70.3±7.1歳であった。D群の術後挿管時間、ICU滞在期間はN群より有意に長かったが、その他で有意差はなかった。病院死亡はD群1例で、原因は低心拍出量症候群であった。独歩退院できなかったのはN群のリハビリテーション転院1例とD群の死亡退院1例で、他施設の成績と比較しても遜色なく、全体として良好な早期成績が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008