発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052472
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2006年10月から呼吸器外科手術後のドレーンとして19Frシリコン製ブレイクドレーンの使用を開始した。使用開始後の連続50症例(平均年齢65歳)を対象に、ドレーンとしての機能性評価と留置に伴う合併症について報告した。その結果、平均ドレーン留置期間は5日で、肺葉切除術後は平均6日、肺部分切除後は平均4日であった。8例で10日以上ドレーンを留置し、4例は肺瘻のため、他の4例は胸水排液が150~200ml/日以上持続したためであったが全例自然軽快した。ブレイクドレーン留置中に遺残胸水や気胸のため追加ドレーンの挿入が必要となった症例はなかった。ドレーン抜去時に強い痛みを訴えた症例は皆無であった。ドレーンによる合併症として、一過性閉塞を1例、ドレーン位置不良による疼痛発作を2例に認めた。以上より、19Frシリコン製ブレイクドレーンは、呼吸器外科手術後のドレーンとして選択肢の一つになり得ると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008