発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009042218
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上胸部の陥凹が著しい成人漏斗胸に対する乳輪切開法を用いた筋層下Nuss法の手技を紹介し、本法を施行した漏斗胸患者8例(男・平均28.6歳)の成績を報告した。漏斗胸の程度は全例grade IIで、1例は再手術であった。乳輪外側に半円状に3cmの切開を加え、皮下脂肪組織を乳腺組織外側で切開し筋膜上に達した。前方に向けて大胸筋を剥離し、肋間筋を切除して胸腔内に入り、エンジンジャッキ等を用いて前胸壁を挙上し、前胸壁を軟らかくした。術中、bar挿入時に困難はなく、固定は肋骨に非吸収性のテフロン含浸ダクロンブレード縫合糸を用い、4ヶ所で行った。全例に術後良好な前胸壁の挙上が得られ、術前に認めた心臓および肺の圧迫は解除された。術後のbarの位置異常はなく、乳輪切開を用いることにより、手術創はほとんど目立たなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008