発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008103589
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肺癌術前患者を対象に、臨床的に虚血性心疾患発症のリスクが高い症例に冠状動脈造影(CAG)を行うことで冠状動脈狭窄の有無を調べ、周術期の虚血性心疾患の発症リスクを検討した。このうち重度の冠状動脈狭窄が認められた症例には予防的治療を行い、その有効性を評価した。また、虚血性心疾患のスクリーニングとして負荷心電図の施行が推奨されているが、この有効性についても検証した。肺癌手術例175例を対象とした。58例(33%)にCAGを行い、負荷心電図検査で虚血性所見が認められたのは38例であった。冠状動脈検査を施行した58例中、冠状動脈狭窄所見を19例に認め、重度の冠状動脈狭窄を6例に認めた。術死在院死、あるいは周術期の急性心筋梗塞発症例はなかったが、術後虚血性心疾患の合併を1例で認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007