発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008008068
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57歳男。患者は呼吸困難を主訴とした。鉄板の前で作業中に3トンのコンクリートブロックが右体側に直撃して、躯幹部を左右から挟まれた。所見では胸部単純X線像で右鎖骨骨折、右第2~7の多発肋骨骨折、左第5肋骨骨折、更に皮下気腫および縦隔気腫が認められた。ICU収容となり、右第5肋間開胸にて手術が行なわれたが、気腫は上縦隔・前縦隔・心嚢周囲・上大静脈・奇静脈・気管分岐部・食道周囲・肺靱帯・胸椎前方にわたり広範囲に及んでいた。肋骨骨骨折部のうち4ヶ所を肋骨ピンで修復し、前・中・後縦隔にドレーンを留置して手術を終了したが、感染などの合併症もなく術後経過は良好であった。以後、術後18日目に社会復帰に向けたリハビリテーション目的で患者は退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007