発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010186377
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77歳男。主訴は交通事故による多発外傷であった。搬送時はショック状態であり、右外傷性血胸および左多発肋骨骨折による左外傷性緊張性気胸に対して両側胸腔ドレナージ術を施行した。心エコーおよび胸部CTでは明らかな心嚢液貯留や造影剤の血管外漏出は認めなかったが、胸腔ドレーンの持続吸引によりドレーンからの出血量が急増したため、胸骨粉砕骨折に伴う肺靱帯の血管損傷の疑いで緊急手術を施行した。術中、心膜破裂を伴う心嚢内下大静脈損傷を出血源として認めたため、裂創を連続縫合閉鎖してタココンブを貼付した。術後は肺炎のため気管切開術を要したが徐々に回復し、第25病日に骨折加療目的に転科した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010