発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011288482
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症例1(60歳男性)。約100kgの鉄骨で胸部を圧迫し受傷した。近医にてタンポナーデによるショックと診断され、緊急搬送後、心嚢ドレーンを挿入して血性心嚢水を排液すると血行動態は安定し、ショック状態から回復した。また、右心系からの出血と判断し、出血コントロール可能であったため、保存的治療を行い、以後、経過良好にて入院30日目に退院となった。症例2(24歳女性)。自動車事故により受傷し、血圧低下および肝損傷部からの出血を血管造影で検査を行ったところ、活動性出血は認められなかった。そのため、保存的治療が行われたが、再度ショック状態に陥り、心エコーで心嚢水の増大を認め、心嚢ドレーンを挿入、血性心嚢水を排液した。その結果、血行状態およびショック状態は回復し、症状の安定とともに入院36日目に退院となった。症例3(34歳男性)。自動車事故により受傷し、意識混濁および呼吸状態の不安定、更に多量の心嚢液貯留を認めたため、心タンポナーデと診断された。治療として心嚢ドレーンを挿入し、血性心嚢水を排液したが、排液が続き、左心系からの出血も認められ、以後、手術が行われた。その結果、術後は多発性脳損傷による遷延性意識障害が認められたが、入院19日目に退院となった。
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