発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008008065
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65歳男。患者は突然の胸痛が出現し、2時間後には乾性咳嗽と喀血を来すようになった。入院時の胸部造影CTでは胸部下行大動脈の血栓と左肺葉間血腫を認めた。更に入院翌日の胸部造影CTでは胸部下行大動脈周囲に血腫病変がみられ、矢状断で潰瘍様突出像(ULP)を認めた。penetrating atherosclerotic ulcer(PAU)の破裂と診断し、症状発現より約36時間後に緊急手術を行なったところ、左肺葉間に大量の血腫が確認され、上・下葉ともに壁側・臓側胸膜へ強固に癒着していた。術後4日目に抜管したが、SaO2低下(95%)のため、非侵襲的陽圧呼吸管理(NPPV)を5日間補助した。以後、造影CTを行なったところ吻合部に問題はなく、術後47日目に独歩退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007