発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009346684
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58歳男性。患者は巨大肺嚢胞にて著者らの施設にある呼吸器外科へ通院中であったが、胸部下行慢性動脈解離の急速な瘤拡大を認め、手術目的で心臓血管外科へ受診となった。胸部CTでは遠位弓部大動脈より右内腸骨動脈および左総腸骨動脈までの解離(DeBakey分類IIIb型)を認め、左鎖骨下動脈分岐部遠位から第10肋間動脈分岐部直上までの人工血管置換術が行われたが、剥離時に肺尖部に肺瘻を生じたため、上葉部分切除を追加した。術後、難治性の乳び胸を生じ、再開胸を行ったが乳び漏出部位を特定できず、肺尖部付近からの乳び漏出が疑われる部位をフィブリノゲン加第XIII因子、oxidized celluloseで閉鎖した。しかし、再手術後も乳び胸が持続するため、octreotide acetateの持続皮下注射を開始したところ、再手術後20日目に改善が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009