胸部外科緊急手術のup to date 大動脈疾患
胸部大動脈瘤破裂
國吉 幸男
1
1琉球大学 胸部心臓血管外科
キーワード:
開胸術
,
ステント
,
大動脈破裂
,
X線CT
,
大動脈瘤-胸部
,
緊急手術
,
大動脈置換術
,
ステントグラフト内挿術
Keyword:
Aortic Rupture
,
Thoracotomy
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Stents
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
pp.576-581
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015339740
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胸部大動脈瘤破裂を3例経験した。症例1は66歳男性で、胸部下行大動脈瘤および胸腹部大動脈瘤重複大動脈瘤を指摘された。瘤破裂の確診が得られ、上腸間膜動脈、両側腎動脈再建を含む胸腹部大動脈瘤切除人工血管置換術を施行した。術後対麻痺などの合併症もなく、軽快転院した。症例2は70歳男性で、2週間ほど前より発熱が持続した。その後胸痛を主訴に受診し、弓部大動脈瘤破裂と診断した。高熱や白血球増多、CRP高度陽性などの所見から、敗血症を伴う感染性大動脈瘤破裂の診断で緊急胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)を行った。術後3日目に突然の低血圧などのショック状態となり、緊急開胸術を行った。胃瘻造設や気管切開などを行い、リハビリテーションを含めて自宅退院は術後5ヵ月であった。症例3は83歳女性で、背部痛が出現し、胸部下行大動脈瘤破裂と診断した。TEVARを行った。術後リハビリテーションを含めて5週目に軽快退院した。
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