発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009234161
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59歳男性。患者は突然の胸背部痛を主訴に近医を受診、胸部大動脈瘤を疑われ、著者らの施設へ救急搬送となった。精査の結果、破裂性胸部下行大動脈瘤と診断され、緊急手術を行ったところ、動脈瘤剥離中に右胸腔へ穿破し、緊張性血胸が併発した。片側換気下であるため循環不全、心室細動に陥ったものの、迅速な診断、上下半身灌流の確立、更に瘤の遮断とドレナージを行い、手術完遂にて救命し得た。術後は11日間の集中治療室管理を要したが、その後の回復は順調で、術後51日目に腹部大動脈瘤に対し正中開腹によるY字人工血管置換術を行い、初回術後69日目に患者は合併症なく軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009