発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256277
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41歳男。3年半前にStanford A型急性大動脈解離で上行大動脈置換術を施行された。今回、突然背部痛が出現して新たな大動脈解離を指摘され、降圧療法を行うも下行大動脈の偽腔拡張を来たし当院転院となった。造影CTで遠位弓部より両側総腸骨動脈まで解離を認め、人工血管中枢側吻合部後壁には造影効果のある突出部分を認めた。B型大動脈解離および吻合部仮性瘤と診断して手術を施行した。左第4肋間前側方開胸および剣状突起から第4肋間まで部分胸骨正中切開を行い、開胸創に連続させた。選択的脳分離体外循環を施行し、左鎖骨下動脈分岐直後より3腔解離、下行動脈L8レベルでは4腔解離であった。開存した大きな偽腔と真腔を残し、後壁の血栓化偽腔と小さな開存偽腔を閉鎖し、Hemashield 4分枝管と吻合した。中枢側では破綻部位が判別できず、いったん4分枝管と吻合して大動脈内腔より仮性動脈瘤への交通を確認し、縫合閉鎖した。術後脊髄障害などはなく、16病日に独歩退院した。
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