急性大動脈解離の外科治療
治療戦略 急性A型大動脈解離の治療戦略 術前時間短縮の重要性
片山 郁雄
1
,
金森 太郎
,
井上 武彦
,
市原 哲也
1千葉西総合病院 心臓病大動脈センター
キーワード:
心タンポナーデ
,
生存率
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
脳循環
,
院内死亡率
,
大動脈置換術
,
逆行性脳灌流
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Cerebrovascular Circulation
,
Aneurysm, Dissecting
,
Cardiac Tamponade
,
Survival Rate
,
Hospital Mortality
pp.279-284
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007205497
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急性A型大動脈解離の治療成績を検討した。対象は2003年1月~2006年12月までに緊急手術を行った急性A型動脈解離213例(男性101例、女性112例、平均年齢64.6歳)で、術式は上行置換183例、上行・部分弓部置換12例、上行・全弓部置換17例、上行・弓部・下行置換1例であった。1)病院死亡は全体で29例(13.9%)であった。2)臓器虚血例は47例中15例(31.9%:脳梗塞例17例中8例、心筋梗塞例27例中5例、腸管壊死例3例中2例)、pulseless electrical activity(PEA)例は7例中4例(57.1%)、破裂例は9例中3例(33.3%)、心タンポナーデのみは45例中4例(8.9%)、タンポナーデ・臓器虚血なしは105例中3例(2.9%、全例MRSA敗血症)であった。3)解離関連再手術は9例(4.9%)で行なわれ、Kaplan-Meier法による累積生存率は1年84.1%、3年79.3%であった。
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