急性大動脈解離の外科治療
治療戦略 急性A型大動脈解離に対する急性期手術
吉本 公洋
1
,
大場 淳一
,
飯島 誠
,
宮武 司
,
江屋 一洋
,
青木 秀俊
1旭川市立旭川病院 胸部外科
キーワード:
再手術
,
術後合併症
,
大動脈瘤
,
X線CT
,
動脈瘤-解離性
,
脳梗塞
,
大動脈置換術
,
Bentall手術
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Postoperative Complications
,
Reoperation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Brain Infarction
pp.267-272
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007205495
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急性A型大動脈解離に対する急性期手術の成績を検討した。対象は1996年4月~2006年3月までに急性期(発症2週間以内)手術を行ったStanford A型急性大動脈解離44例(男性16例、女性28例、平均年齢63.4歳)で、発症から手術までの時間は平均28.7時間であった。術式は上行置換24例(54.5%)、上行・部分弓部置換7例(15.9%)、上行・全弓部置換13例(29.5%)で、それぞれの平均脳分離灌流時間/循環停止時間は52.4/54.9分、56.1/58.9分、138.2/65.6分であった。1)手術死亡は2例(4.5%:多発性脳梗塞で術後6日目と下行大動脈解離破裂で術後9日目)であった。2)術後合併症は脳梗塞6例(13.6%:手術死亡1例と術後2ヵ月転院先で死亡1例を含む)、一過性脳障害10例(22.7%:せん妄8例、痙攣、めまい各1例)であった。3)再手術は4例(術翌日に偽腔閉塞による左下肢虚血、4年6ヵ月後に大動脈基部拡大、3年10ヵ月後に切迫破裂、4ヵ月後に残存解離による下行大動脈拡大)に行なわれた。
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