急性大動脈解離の外科治療
治療戦略 急性A型大動脈解離に対する治療戦略
佐藤 洋一
1
,
佐戸川 弘之
,
高瀬 信弥
,
三澤 幸辰
,
若松 大樹
,
佐藤 善之
,
横山 斉
1福島県立医科大学 心臓血管外科
キーワード:
酸素飽和度測定
,
術中モニタリング
,
心エコー図
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
生存分析
,
緊急手術
,
大動脈置換術
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Echocardiography
,
Oximetry
,
Survival Analysis
,
Monitoring, Intraoperative
pp.262-266
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007205494
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
急性A型大動脈解離に対する治療成績を検討した。対象は2001年1月~2006年10月までに入院した急性A型解離75例(男性29例、女性46例、平均年齢67歳)で、偽腔開存型42例、早期血栓閉塞型33例であった。手術は75例中62例に行い、うち緊急手術52例、慢性期手術10例であった。置換部位は上行40例(65%)、上行・全弓部21例(34%)、基部弓部1例であった。平均値で手術時間483分、体外循環時間228分、心停止時間139分、体循環停止時間53分であった。1)早期成績は入院死亡3例(4.8%)、永久的神経障害1例(1.6%)、一時的神経障害3例(4.8%)であった。2)中期遠隔成績は、平均観察期間25ヵ月で死亡2例(他病死)、累積生存率は1年98%、5年91%、解離関連事故回避率は1年93%、5年89%であった。3)入院時に保存的治療とした23例は、血栓閉塞型20例(4日後死亡1例、手術移行8例)、脳梗塞合併2例(手術移行)、意識障害合併偽腔開存型1例(2日後死亡)で、平均観察期間35ヵ月で死亡はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007