手術の工夫
経静脈的ペースメーカリードを温存した三尖弁置換術
三保 貴裕
1
,
吉戒 勝
,
佐藤 久
,
中西 晴美
1新古賀病院 心臓血管外科
キーワード:
胸部X線診断
,
血管心臓造影
,
三尖弁
,
三尖弁閉鎖不全症
,
心エコー図
,
心臓カテーテル法
,
人工心臓ペーシング
,
人工ペースメーカー
,
人工弁置換術
Keyword:
Angiocardiography
,
Cardiac Pacing, Artificial
,
Echocardiography
,
Cardiac Catheterization
,
Pacemaker, Artificial
,
Radiography, Thoracic
,
Tricuspid Valve
,
Tricuspid Valve Insufficiency
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
pp.493-496
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017304629
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70歳女。両側下肢浮腫を主訴とした。38歳時にペースメーカ植込み術を施行され、4年前より三尖弁閉鎖不全(TR)を指摘されていた。利尿薬投与で浮腫は改善したが、繰り返す右心不全に対し手術目的で入院した。心胸郭比(CTR)76.2%と著明な心拡大を認め、心エコーでは左室拡張末期径/左室収縮末期径(LVDd/LVDs)39/27mm、左室駆出率(EF)56%、IV度のTRとII度の僧帽弁閉鎖不全症を認めた。右室造影ではびまん性壁運動低下を認め、右室の著明な拡大を認めた。胸骨正中切開アプローチで僧帽弁置換術を施行した。ペースメーカリードは後尖の腱索間を通過し三尖弁後尖と強固に癒着していたため、リードを切離し後尖弁輪にU字縫合をおき、新たな弁輪を作成し、三尖弁置換術を行った。術後下肢浮腫は著明に改善し、CTRは64%と縮小を認め、心エコーではLVDd/LVDsは46/31mm、EFは59%、TRはI度であり、弁周囲からの逆流は認めなかった。
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