発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007114069
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4歳女児、体重増加不良を主訴とした。小児てんかんの既往があった。4ヵ月健診時に心房中隔欠損(ASD)と診断され経過観察されていた。1歳6ヵ月時に体重増加不良のため心カテーテル検査を行ったところ、両側部分肺静脈還流異常、ASD、肺動脈狭窄(PS)と診断され手術目的で当科に入院した。胸部X線にて心胸郭比55%、肺血管陰影増強を認めた。心エコーで卵円窩型のASDと器質的なPSを認め、心カテーテル検査では右房から上大静脈(SVC)に挿入したカテーテルが直接右上肺静脈に挿入され、左上肺静脈が垂直静脈を介して無名静脈に還流していることを確認した。胸骨正中切開したところ、右上肺静脈は右肺動脈頭側でSVCに還流していた。左側は垂直静脈と左心耳を端々吻合し、右側はウマ心膜パッチを用いて肺静脈を左房に還流させた。術後の心カテーテル検査では両側肺静脈の左房への還流は良好で遺残短絡は認めなかった。1年後にはPSの改善と心胸郭比の減少も認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007