発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007110133
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55歳男。stanford A型急性大動脈解離に対し上行・弓部大動脈人工血管置換術を施行し、体外循環中にaprotininの持続投与を行った。術後約2ヵ月のX線像上で胸部下行大動脈陰影、CT上で残存解離腔の拡大と胸部下行大動脈の拡大を認め、胸部下行大動脈人工血管置換術を施行した。aprotinin持続投与下で部分体外循環を開始直後に気道内圧上昇、血圧低下、ST上昇、前胸部から上肢にかけて発赤を認めアナフィラキシーと判断した。methylprednisolon sodium succinate 1000mg、nicorandil 6mg投与と体外循環を停止し、徴候消失後にaprotinin投与を中止して部分体外循環下で胸部下行大動脈人工血管置換、左鎖骨下動脈再建術を終了した。術後アレルギー検査よりDLSTおよびIgE型抗aprotinin抗体は陰性でIgG型抗aprotinin抗体が陽性よりIgG型抗aprotinin抗体によるアナフィラキシーショックが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007