発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007110132
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55歳男。1998年に左大腿部脂肪肉腫摘出術を行っている。胸内苦悶と嘔気の出現で心不全と診断され、利尿薬投与後も改善せず、心エコー、CT、MRIにて脂肪肉腫の心臓転移が疑われた。X線より心拡大、CTより心嚢内を占める巨大腫瘍と右胸腔に胸水貯留を、MRIより心臓左下方で横隔膜上に充実性巨大腫瘍を認め1ヵ月後に手術を行った。腫瘍は脆弱で右室下壁に1.5cm径の腫瘍茎を認め一部残存したまま切除し、肺動脈体幹に7mm径の腫瘍結節を認め切除した。病理所見より粘液型脂肪肉腫と診断し術後33日に退院したが、横行結腸間膜への転移巣手術のため横行結腸切除で10×9cm大の脂肪肉腫転移巣を摘出した。最初の手術から5ヵ月後の経過観察中に心臓転移巣再発を認め、心嚢と左胸腔下半分を占拠した腫瘍摘出術を行ったが、全身状態が徐々に悪化し術後49日に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007