発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007100269
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19mm生体弁による大動脈弁置換術を行った12症例の術前、術後早期、術後中期(平均22±5ヵ月後)成績を心エコーによる心機能と人工弁機能を中心として比較検討した。対象12例(61~84歳、男1名、女11名、平均年齢74±6歳)体表面積(BSA)は1.5m2未満の症例が8例(67%)を占めた。主疾患は1例のみが大動脈弁閉鎖不全で、他の11例は大動脈弁狭窄であった。手術は全例人工心肺、心停止下に行い人工弁はsupra-annular位にプレジェット付き糸を用いたマットレス縫合により縫着した。使用した生体弁の人工弁種はCarpentier-Edwards Perimount弁7例、Mosaic弁5例であった。同時手術として冠状動脈バイパス術(CABC)を6例に上行動脈置換を2例に行った。その結果、手術死亡、病院死亡はいずれも認めず、全例が軽快退院した。大動脈弁前後の最大圧較差(PG)は術前が高値であったが、術後早期、術後中期へと有意に低下した。LVDdは術前から術後早期に優位に縮小し中期も維持された。一方、左室心筋重量指数(LVMI)は術前167±36g/m2に対して術後早期に先ず有意な減少を示した後、中期にかけても有意な減少が持続しており左室心筋肥大は中期にかけて有意な改善の持続が示された。BSA 1.5m2以上の4症例とそれ未満の8症例で中期のLVMIを比較すると有意に1.5m2以上の症例で高値を示した。左室駆出率(EF)は術前から心機能が保たれている症例が多く、術後も有意差はなかった。NYHA分類は術前平均2.3±1.1度から術後遠隔期には1.4±0.5度と活動性は有意に改善した
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