発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006313881
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65歳男.患者は胸部CTで右葉S6bからS9aにまたがって内部に空洞を有する辺縁不整な腫瘤影を認めた.経気管支鏡的肺生検を施行し,右下葉原発中分化型肺扁平上皮癌,臨床病期IB期と診断して手術を施行した.摘出標本は肉眼的に連続性のない大小二つの腫瘍であった.病理組織学的所見では腫瘍の大部分は核の腫大と明瞭な角化像を伴う高~中分化型扁平上皮癌が浸潤性に増殖していた.更に気管分岐部リンパ節に扁平上皮癌の転移を認め,病期IIIA期であった.また直径5mmで小型の核をもつ細胞質に乏しい小型未分化腫瘍細胞が増殖し,病期IA期の小細胞肺癌であった.そして,その一部では小細胞肺癌が扁平上皮癌との間に結合織で明瞭な境界を有する形で衝突が認められた.化学療法を施行し,その結果,術後8ヵ月経過現在,無再発生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006