発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199701
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1981年から2002年までに切除した原発性肺癌のうち病理組織学的に末梢型小型肺扁平上皮癌と診断された17例(1.6%)を対象とし,積極的縮小手術の可能性を臨床・病理学的に検討した.17例全例が高度喫煙者で16例は検診で発見されており,14例は術前の経気管支的肺生検にて確定診断を得た.腫瘍分化度は中分化型以下が15例,低分化型が2例であり,リンパ節転移率は11.8%であった.全症例に肺葉切除+系統的リンパ節郭清を施行したが,n1例を含む16例では1群のリンパ節郭清で十分であると考えられた.全例の5年,10年生存率は各84.4%,73.8%と良好であった.末梢型小型肺扁平上皮癌の縦隔リンパ節転移陽性率は低く,積極的縮小手術で十分に根治を得られる可能性が示唆されたが,低分化型扁平上皮癌では術後再発・転移の危険性に十分留意し,個々の症例に最適な術式を選択する必要があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004