発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153680
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68歳男.発熱および排尿困難が出現し,尿路感染症の診断で抗生物質投与を受け,排尿障害は改善したが,発熱は持続した.心エコーで僧帽弁前尖(AML)に疣贅を伴う僧帽弁閉鎖不全(MR)を認め,頭部MRIでは右後頭葉に造影腫瘤を認めた.悪心嘔気が出現し,腹部X線でイレウス像を認め,腹部エコーでは上腸間膜動脈瘤が疑われた.脳および腹部動脈造影で右中大脳動脈遠位部と上腸間膜動脈本幹に動脈瘤を確認し,上腸間膜動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した.翌日,右中大脳動脈瘤摘出術を施行し,内科的治療を継続した.1ヵ月半後に炎症所見は改善し,心カテーテル検査でMR III度で手術適応となった.AMLの後交連側に疣贅を認め,付着部の弁尖を含めて切除し,flip-over techniqueに準じて対側の後尖を四方形に切離し,前尖の欠損部に縫着した.後尖切離部はMcGoon法に準じて縫縮し,弁輪にCarpentier-Edwards ring 32mmを縫着した.術後経過は良好で,21日目に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2006