臨床経験
感染性左上腕動脈瘤を合併した僧帽弁位感染性心内膜炎の外科治療
菊山 薫
1
,
内田 徹郎
,
浜崎 安純
,
黒田 吉則
,
山下 淳
,
林 潤
,
中村 健
,
中井 信吾
,
渡邉 大介
,
小林 龍宏
,
貞弘 光章
1山形大学 外科学第二講座
キーワード:
上腕動脈
,
心内膜炎-感染性
,
僧帽弁
,
X線CT
,
動脈瘤-感染性
,
伏在静脈
,
カラーDoppler心エコー図
,
三次元イメージング
,
Gemcitabine
,
僧帽弁形成術
Keyword:
Aneurysm, Infected
,
Brachial Artery
,
Endocarditis, Bacterial
,
Mitral Valve
,
Saphenous Vein
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Echocardiography, Doppler, Color
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Mitral Valve Annuloplasty
,
Gemcitabine
pp.348-351
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017209361
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67歳男。左手指のしびれを主訴とした。化膿性脊椎炎の加療中に主訴が出現し、左上腕動脈瘤を指摘された。3D-CT所見では左上腕動脈に40×35mmの嚢状瘤形成を、また心エコー所見では僧帽弁前尖に付着する広基性の疣贅(10mm大)とIV度の僧帽弁逆流を認め、僧帽弁位の感染性心内膜炎(IE)、感染性左上腕動脈瘤と診断した。ともに手術適応と考えられ、IEについては疣贅の可動性は軽度で、心不全徴候は認めなかったが、上腕動脈瘤による左手指のしびれは進行性で、経時的な瘤の拡大および破裂が危惧されたため、瘤の手術を先行した。上腕動脈瘤に対して大伏在静脈グラフトを用いたバイパス術を行い、術後1ヵ月時にIEに対する僧帽弁形成術を行った。術後4ヵ月経過現在、感染再燃の徴候は認めず、上肢神経症状も改善している。
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