発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009234153
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32歳男。患者は40℃の発熱を主訴に受診となり、心エコーで僧帽弁に疣贅を認めて感染性心内膜炎と診断された。抗生物質を投与するも発熱が再燃し、腹痛も出現した。画像所見では脾梗塞および肝内動脈瘤、上腸間膜動脈瘤、右内頸動脈瘤が認められ、僧帽弁置換術が施行された。僧帽弁前尖には2ヶ所のvegetationが認められ、また、開腹すると脾臓には壊死性変化はなかったものの、上腸間膜動脈瘤は第二空腸枝の末梢で辺縁動脈まで及んでいた。そこで手術は辺縁動脈に拍動が触知されたため切除のみとした。更に肝動脈瘤は末梢のneckを探ったが、肝外からのアプローチは困難と判断され、右肝動脈の結紮のみが施行された。その結果、肝動脈瘤内は術後2ヵ月で完全に血栓化して径も縮小した。一方、脳動脈瘤は抗生物質を投与したが消失せず、他部位への発生も認めなかったためクリッピング術が施行された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009