感染性心内膜炎の外科治療
脳合併症を有する感染性心内膜炎の治療
福田 和歌子
1
,
大徳 和之
,
皆川 正仁
,
鈴木 保之
,
福田 幾夫
1弘前大学 胸部心臓血管外科
キーワード:
開頭術
,
抗細菌剤
,
死亡
,
術後合併症
,
心エコー図
,
心内膜炎-感染性
,
動脈瘤-感染性
,
脳梗塞
,
脳疾患
,
脳動脈瘤
,
脳膿瘍
,
髄膜炎-細菌性
,
後向き研究
,
治療成績
,
開心術
,
治療までの期間
,
頭部CT
Keyword:
Aneurysm, Infected
,
Anti-Bacterial Agents
,
Intracranial Aneurysm
,
Brain Abscess
,
Brain Diseases
,
Death
,
Craniotomy
,
Endocarditis, Bacterial
,
Echocardiography
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Meningitis, Bacterial
,
Brain Infarction
,
Time-to-Treatment
pp.896-902
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016019416
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2002年3月~2015年3月に外科的加療を行った術前脳合併症を有する感染性心内膜炎(IE)23例(男14例、女9例、平均年齢51.8±19.8歳)を対象に、手術のタイミングおよび術後脳合併症悪化率を検討した。脳合併症の診断から開心術までの平均日数は30.3±48.3日で、脳合併症の種類別では有症状の脳梗塞(12例)が29.3±26.8日、無症状の脳梗塞(7例)が10.4±6.5日、脳動脈瘤(4例)が35.0±38.8日、脳髄膜炎(2例)が23.5±24.7日、脳膿瘍(1例)が227日であった。脳動脈瘤を合併した4例中2例に開頭術を先行し、開頭術後それぞれ20日と50日後に開心術を行った。開心術を先行した2例中1例は術後11日目に開頭術を予定したが、術前夜に脳動脈瘤破裂のため脳死となった。全23例中20例に人工弁を使用し、機械弁10例、生体弁10例であった。開心術後の合併症として不整脈3例(13.0%)、腎機能悪化2例(8.7%)、脳動脈瘤破裂1例(4.3%)に認めた。遠隔期死亡は2例認めた。
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