発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006102459
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症例1:79歳男.検診の胸部X線で指摘された腫瘤影が,経気管支鏡的肺生検で左S6腺癌IA期と診断され,左後側方開胸による左下葉切除を施行した.術後,左上葉の含気低下により呼吸不全状態となり,左上葉の無気肺の感染と判断し,開胸術を施行した.左上葉の捻転を認めたため,捻転整復後に上葉切除を行った.術後も人工呼吸器から離脱できず,右側の肺炎悪化による呼吸不全で死亡した.症例2:24歳男.上咽頭癌への化学放射線療法で著効(CR)となった5年後,胸部X線で右中肺野の腫瘤影を認め,経気管支肺生検で上咽頭癌の肺転移と診断された.他臓器への転移は認めなかった.胸腔鏡下右上葉切除術を施行し,術後は継続する高熱と頻繁な血痰を認め,胸部X線では悪化する中葉の無気肺が見られた.右中葉の軸捻転が疑われ,開胸術を施行し,中葉切除を行った.術後経過は良好で,右下葉の肺炎も消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2005