発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016009588
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肺腺癌の中で、間質反応を伴わない肺胞上皮異型を示すものは非浸潤型腺癌に分類され、転移の可能性が極めて低く、縮小肺切除のみによる治療の有用性が示唆されている。しかし、非浸潤型腺癌であっても肺切除断端に再発することがあり、再発の可能性があると判断された場合には追加肺切除することが望ましい。そのさい断端細胞診陽性は再発の予測因子であるが、残存肺断端細胞診は頻用されていない。今回著者等は、小型非浸潤型肺腺癌に対して肺部分切除術を施行し、残存肺断端細胞診で腺癌細胞塊を認めたため肺葉切除を行った症例を経験した。患者は67歳男性、残存肺断端細胞診では悪性細胞は少数であったが、腫瘍細胞は塊状を呈していて悪性のポテンシャルが高い可能性があり、再発の可能性を否定できないことから、追加肺葉切除は妥当であったと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015