臨床経験
胸腔鏡下肺葉切除後に発症した肋間肺ヘルニア
川口 剛史
1
,
安川 元章
,
河合 紀和
,
東条 尚
1奈良県立医科大学 胸部・心臓血管外科
キーワード:
術後合併症
,
デブリードマン
,
肺疾患
,
肺切除
,
皮下気腫
,
ヘルニア
,
ビデオ下胸腔鏡手術
,
胸腔ドレナージ
,
陰圧閉鎖療法
,
胸部CT
Keyword:
Debridement
,
Hernia
,
Lung Diseases
,
Pneumonectomy
,
Postoperative Complications
,
Subcutaneous Emphysema
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.388-391
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016298077
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52歳女性。右上葉の原発性肺癌に対して胸腔鏡下右上葉切除術を施行、術後は経過良好にて自宅退院となったが、術後6週目に右胸壁の皮下気腫が出現し、急速に増悪したため再入院となった。胸部X線では右胸部から頸部にかけて皮下気腫がみられ、CTでは第4肋間前方から胸腔外へ脱出する残存中葉が認められた。以上より、本症例は肋間肺ヘルニアと診断され、治療は症状の増悪や肺の損傷もみられたため、修復手術が行われた。だが、修復術後7日目にMRSA感染が顕在化したため、創を開放して陰圧閉鎖療法を併用しながら洗浄、更にデブリードマンを行った。その結果、創感染のため術後退院まで2ヵ月を要したが、目下、術後2年経過でヘルニアの再燃はみられていない。
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