気管・気管支形成手術の現況
気管・気管支形成 肺癌に対するスリーブ肺葉切除
白石 武史
1
,
岩崎 昭憲
1福岡大学 呼吸器外科
キーワード:
小細胞癌
,
気管支瘻
,
術後合併症
,
生活の質
,
生存率
,
腺癌
,
肺炎
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
不整脈
,
扁平上皮癌
,
管状肺摘除
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Bronchial Fistula
,
Arrhythmias, Cardiac
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Postoperative Complications
,
Pneumonectomy
,
Pneumonia
,
Quality of Life
,
Survival Rate
,
Carcinoma, Small Cell
pp.957-961
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009016926
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著者らが過去13年間に経験した肺癌に対するスリーブ肺葉切除60例(SL群)の成績を、同時期の肺全摘除術40例(PN群)と比較検討した。その結果、1)気管支吻合部に伴う合併症として、SL群では吻合部瘻と吻合部狭窄を各1例の計2例(3.3%)に発生していた。一方、PN群の気管支断端瘻は晩期断端瘻を含め3例に発生していた。2)両群の総合的な合併症発生率はSL群20%、PN群37.5%と、PN群で合併症発生率が高い傾向を示していた。しかし、全対象例に対する術後合併症発生の危険因子解析では、術前化学療法と術前呼吸器系併発症の有無が有意な危険因子としてあげられ、手術操作(SLあるいはPN)そのものは有意な危険因子として示されていなかった。一方、5年生存率はSL群53.1%、PN群24.2%と、SL群の生存率が有意に高かった。
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