発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051522
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70歳女.1ヵ月前から咳嗽・呼吸困難感が出現,近医にて胸部X線像で胸部大動脈瘤を疑われ紹介入院となった.入院時,胸部CT所見で弓部大動脈に106×96mm大の壁在血栓を伴う巨大動脈瘤を認め,肺野条件では気管が動脈瘤により右後方に圧排されていた.真性弓部大動脈瘤とそれに伴う気管圧迫による呼吸困難と診断してICUに収容し,酸素マスク5L/分下に経静脈的に降圧薬の持続点滴により血圧管理を行った.入院翌日に急激に呼吸困難が増悪したため緊急手術となり,弓部3分枝付き人工血管置換術を施行し,体外循環時間334分・大動脈遮断時間223分・循環停止時間54分であった.術後第4病日の気管支鏡検査では気管狭窄部の改善が確認され,第8病日に抜管を試みたが1時間後に再挿管となり,第12病日に気管切開術を施行し,第19病日に人工呼吸管理から離脱して第86病日に退院となった
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