急性大動脈解離の外科治療
上行弓部置換術を施行した広範囲Stanford A型急性大動脈解離における残存偽腔の影響
茂木 健司
1
,
桜井 学
,
野村 亜南
,
若林 豊
,
藤井 政彦
,
高原 善治
1船橋市立医療センター 心臓血管センター心臓血管外科
キーワード:
生存率
,
体外循環
,
大動脈瘤
,
X線CT
,
動脈瘤-解離性
,
入院期間
,
ロジスティックモデル
,
年齢因子
,
大動脈置換術
,
Kaplan-Meier法
,
手術時間
,
偽腔(大動脈瘤)
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Age Factors
,
Extracorporeal Circulation
,
Length of Stay
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Survival Rate
,
Logistic Models
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Operative Time
pp.282-285
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016223998
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著者らは広範囲Stanford A型急性大動脈解離に対して上行弓部置換術を行った。今回、127例を対象に術後の下行大動脈偽腔の変化による遠隔期成績および開存偽腔が残存する予測因子について検討した。その結果、1)遠隔期CTで下行大動脈に開存偽腔が残存する症例(開存群)は33例(26%)、下行大動脈偽腔が血栓化または消失している症例(閉塞群)は94例(74%)であった。開存群ではエントリー非処理率が有意に多かった。2)累積生存率は両群間で有意差は認められなかったが、大動脈関連事故回避率は開存群で有意に不良であった。術後8年の大動脈事故回避率は閉塞群が93.9%に対して、開存群は54.3%であった。3)ロジスティック回帰分析による多変量解析の結果、「50歳未満」「エントリー非処理」が有意な遠隔期開存偽腔残存の独立した予測因子であることが明らかとなった。
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