発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051519
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気管切開例5症例(男性3例・女性2例,年齢59~76歳・平均68歳)に対して気管切開部にカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)シートによる創部管理を行った.7×7cmのCMC-Naシートを二重にしてY字の切れ目を入れ,毎日創部観察を行い術後3日目までは汚染の有無に関わらず交換し,その後は創部の状態により交換の必要性を決定した.その結果,全例でCMC-Naシートの滲出液吸収能は十分と考えられ,術後4日では少量となり吸収部はゲル化し,創ポケットを被覆していた.創周囲に汚染はなく,皮膚炎・皮下気腫・膿瘍は認めず,術後1ヵ月時点では全例で発赤・腫脹・圧痛の炎症徴候や感染は認めなかった.以上より,CMC-Naシートはガーゼによる二次損傷・交換時の疼痛を回避し,創部環境を整えるのに極めて有用な被覆材であると考えられ,長期合併症を回避できる可能性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2005